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パクりとオマージュの違いを考えてみる『あらゆる小説は模倣である。』読書感想

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パクりとオマージュの違いって何でしょう。拡散の時代に、瞬く間に炎上してしまうのか、上手いなと知名度を上げるのか。もちろん、PR戦略の話じゃありません。

およそ人間が考えつくストーリーやイメージというものは、多かれ少なかれ類型的なものである。ましてこの世にひしめく数えきれないほど多くの作品の海を漂って生きている私たちは、先人の作品との関連や影響を完全に排除できるはずがない。

『あらゆる小説は模倣である。』(清水良典/幻冬舎)の出発点は、オリジナリティの呪縛を解くことにあります。

エレガントな模倣への道

パクりとオマージュの違いとは何か。それは、元ネタの劣化になっているか、新たに自分の物語として昇華できているかの違いではないか、と本書を読んで考えました。

本書の目標は、外部の作品や文章から材料を取り込んで、模倣しつつ自分の作品をどんどん生み出す能力を身に付けてもらうことである。(中略)もしこれがこなせたら、あなたはいつでもどんな作品からでも、創作のヒントを見つけ出せるだろう。

そもそも、どんな作品の影響も受けずに、ゼロから自分でモノを生み出す、というのは現実的に難しい。夏目漱石の「吾輩は猫である」や、谷崎潤一郎の「痴人の愛」でさえも、ストーリーの下敷きになっている別作品がある、という内容は印象的です。

エレガントな模倣とは、パクりではなく、バラエティのひとつとしてきちんと自立した作品になっているということ。インフルエンスな作品を残してきた先人たちに近づけるよう、自分の技術を研磨していくこと。

模倣を通して、目指すべきオリジナリティとは何かを考えさせられる1冊でした。

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