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ドキドキの読書体験「江戸川乱歩と名作ミステリーの世界」3号は少女地獄(夢野久作)【感想】

江戸川乱歩と名作ミステリーの世界 3号 夢野久作 少女地獄 感想
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2023年3月15日(水)に発売された『江戸川乱歩と名作ミステリーの世界』(アシェット)3号は、夢野久作の「少女地獄」。少女たちの不思議な心理を描き出した3つの怪奇小説が収録されています。

夢野久作といえば、三大奇書「ドグラ・マグラ」の作者。かなり前に途中まで読んで挫折したままになっていて、そろそろ腰をすえてちゃんと読んでみたい…と思っています。

あや
あや
きっとこのコレクションにも出てくるだろうから次こそ!

アシェット3号は夢野久作の「少女地獄」

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少女地獄は「何でも無い」「殺人リレー」「火星の女」からなる短編小説集で、すべて書簡体系式(誰かに宛てた手紙の連なりで間接的にストーリーが展開していく)が取り入れられています。

収録作品(あらすじ)をまとめました。

何でも無い

横浜で耳鼻科院を開業する臼杵(うすき)のもとに、ここで働けないかと姫草ユリ子が訪ねてくる。彼女は天才的な働きぶりと愛らしさで患者たちから慕われる一方、重度の虚言癖の持ち主だった。

殺人リレー

女車掌(バスガイド)のトミ子は、同業の友人から「新高という運転手に殺されるかもしれない」という手紙を受けとる。その男は、内縁を結んだ女に飽きては始末を繰り返す連続殺人鬼というのだ。そしてその友人も、新高と婚約した身であった。

火星の女

女学校にある廃屋(あばらや)で火事が起こり、なかから真っ黒焦げの屍が見つかる。女性という以外は身元の特定も事件性も解明できないまま、校長の失踪や女教師の縊死、書記係の大金持ち逃げが立て続けに発生。すべての真相を解き明かしたのは「火星の女」の遺書だった。

【感想】耽美の意味を実感する作品群

江戸川乱歩と名作ミステリーの世界 3号 夢野久作 少女地獄 感想

久しぶりに読書でドキドキとしました。読み出した時間帯がよろしくなくて、明日も仕事の木曜日に夜更かし(-∀-`; )

まず思ったのは、耽美とはこういうことかと実感したこと。直接的な表現がなくても、たとえば「接吻」のたった一言で、思い詰めたような切なさや生々しさが伝わってくる。優れた作品とは多くを語らずとも、その言葉が本来備えた意味を、文脈から最大限に引き出してしまうのでしょう。

そしてじつは読むまで、本作のことを世にも恐ろしい少女たちが出てくる話なのだろうと勘違いしていました。

あや
あや
少女地獄というからてっきり…(笑)

読み終わった今では少女たちの地獄、というよりも、少女たちを通して見る現し世の残酷な一面、という意味に解釈しています。当時はより色濃かったであろう男性主体の社会が、少女たちの目を通すと地獄のようにも見えるという。

一方で本作の少女たちが、ユニコーンのようだとも思いました。架空の美しい生き物。夢野久作だからというのもあるでしょうが、彼が女性性ではないからこそ書けた美しさなのかもしれません。

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