先日ブログを上げた夢野久作の「少女地獄」を読んでから、もっと男性が書く女性視点にドキドキしたくなっています。
少女地獄の何がツボだったかって、ユニコーンのような少女たちです。女性から見てもドキドキとする美しさがあること、けど現実には存在しないんじゃないかって思うこと。
誤解を恐れずに言うと、男性が描く女性視点には架空の美しさがある気がするんです。
そう考えると、昔からKinKi Kidsのふたりが作った女性目線の歌詞も好きだったのも、根は同じなのかもしれません。ファンにとっては代表的すぎるくらいだけど、今回は私がとくに好きな3曲を取り上げたいと思います。
今にも壊れてしまいそうな“私”が願うこと「I」(2003年)
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結婚ソングとしても有名な「薄荷キャンディー」のシングル通常盤に収録されている堂本光一さんのソロ曲。作曲・作詞も光一さんが自ら手掛けています。
この曲で印象的なフレーズは「抱いてよ抱いてよ/壊れるほどに/もう一人にしないで」というところ。愛する男性の本音が分からず、嘘でもいいから好きといってほしい、ふたりだけでいたいよ…という切ないラブソングです。
「夢ならもう/このままでいい」と思い詰めた“私”。現実だったら突然プチンと爆発してしまいかねない緊迫感が漂いそうですが、セクシーな曲調と相まって弾けるにしても瑞々しい、“私”のまっすぐな愛を感じます。
エキセントリックで純な“アタイ”「溺愛ロジック」(2002年)
堂本剛さんのソロCD「街」と両A面シングルとして発売された1曲。もちろん、作詞・作曲も剛さんが手掛けています。
一度聴いたら覚えてしまうロカビリーな曲調で、描かれる女性目線が「抱いて/抱いて/抱いて」「二度と離れないように/鎖を用意して頂戴」など、なかなか過激でエキセントリック。
特に印象的なのが「なんだか声が枯れてしまっているわ/愛してるって何度も言わせるから」という艶かしいフレーズ。「腰を振るのは/あなたの鼓動の中だけ」というのも、高飛車だけど純な雰囲気があります。
“クリスマスなんていらない”超濃縮ラヴソング「愛のかたまり」(2001年)
ファンのあいだで不動のナンバーワンといってさしつかえなく、数々の後輩たちに歌われもはやジャニーズの社歌といっても過言ではない「作詞:堂本剛、作曲:堂本光一」の珠玉のラブソング。
歌い出しで「心配性すぎるあなたは/電車に乗せるのを嫌がる」と束縛ともとれる男性の想いに、「まるで/かよわい女の子みたいで/なんだか嬉しいの」と続いて、どっちのベクトルも突き抜けてたー! という激しく重ためのラブソングでもあります。
(ちなみに、おふたりが合作して生み出した曲には「恋涙」や「銀色 暗号」、「Topaz Love」など、女性目線の名ラブソングが多いことも明記しておきます。)
本曲の印象的…もとい象徴的なフレーズといえば、やっぱり「X’masなんていらないくらい/日々が愛のかたまり」でしょう。
逆転の発想といいますか、それくらい真っ直ぐ相手のことを愛せるって性別問わず至難の業…。だからこそ、重たくも潔い女性目線の歌詞がとっても尊く思います。
夢野久作のドキドキな読書体験から、大好きなKinKi Kids語りに発展してしまいました。