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結局、めちゃくちゃ怖いのは人間。鳥肌級ホラー・ミステリー小説3選

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名探偵が鮮やかに謎を解いていく王道ミステリーも大好きだけれど、私が小説に求めてしまうもののひとつが、「ホラーみたいなミステリー」です。

常人には理解できない心理が引き起こす惨劇だったり、非現実的な出来事に見えて、実はちゃんとからくりが隠されていたり。そして最後にたどり着くのは、「結局、一番怖いのは人間だった」という事実。

今回は、これまで読んできたなかでも特に「人間、怖すぎる!」とリアルに鳥肌が立ったホラー・ミステリー小説を3冊ご紹介します。

あや
あや
どれもページをめくる手が止まらない作品ですが、夜更かしには要注意。というより、夜に読んだらなかなか寝付けなくなるかもしれません……。

美しい世界を蝕んでいく女の悪意『強欲な羊』美輪和音

著:美輪 和音
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美しい姉妹が暮らす屋敷を訪れた「わたくし」が目にしたのは、対照的な二人の間で繰り返される陰湿な出来事。悪意は次第にエスカレートし、やがて妹が姉を殺害する事態へと発展します。

この表題作「強欲な羊」をはじめ、“羊”をモチーフにした5編が収録された短編集です。

美しさと邪悪さ、その落差が怖い

あや
あや
女性の悪意や嫉妬って、どうしてこう、読んでいるこちらの精神までじわじわと蝕んでくるのでしょう……。

我々が子どもや女性に対して、どこか無意識に抱いている「無垢さ」が裏切られるからこそ、その悪意に余計な恐ろしさを感じるのかもしれません。

本作で描かれるのは、そんな生々しい人間の怖さ。一方で、お屋敷に暮らす美しい姉妹や、王子の世話をするため塔に幽閉された魔女の娘たちなど、物語を包む世界観はどこか耽美です。

美しさと邪悪さのバランスが絶妙で、不穏な非日常へとずるずる引き込まれていきます。

なかには「これは妄想? それとも本当に……?」と現実と幻想の境界を揺さぶられる一編も。それでも作品の根底に息づいているのは、やっぱり「女」という生き物の怖さでした。

幽霊でも怪物でもない。人間、なかでも女性が生み出す悪意の怖さを味わいたい人におすすめしたい一冊です。

「同じ人間なの……?」狂気に震える『黒い家』貴志祐介

KADOKAWA
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第4回日本ホラー小説大賞を受賞した、貴志祐介の『黒い家』。

あや
あや
「人間が怖い小説」といえば、読書好きの間でかなりの確率で名前が挙がるのではないでしょうか。

生命保険会社に勤める若槻慎二は、保険契約者の家を訪れた際、子どもの首吊り死体を発見します。事故なのか、それとも事件なのか。不審な点を感じた若槻が調査を進めた先で待っていたのは、常識では理解できないほど歪んだ人間の狂気でした。

「人間が一番怖い」を心底実感

序盤は保険金にまつわる不審死を追う社会派サスペンスのように進んでいくのですが、その先で待っているのは、猟奇的でサイコパスな恐怖。

読み進めるほど主人公と一緒にじわじわ追い詰められていくような緊張感がすさまじく、「人間が一番怖い」という言葉を心底実感させられます。

怖い人間を見て「人間不信になりそう」というより、もはや「本当に同じ人間なの……?」と疑いたくなるレベル。だからこそ、本を閉じて物語の外へ戻ってきたとき、現実の日常にほっとしてしまうほどでした。

ちなみに実写映画化されていたことを思い出し、読後にキャストを調べてみたところ、「あ、これは絶対見られないやつだ……」と確信。映像でこの世界を見る勇気は、まだありません……。

最後に残るのは、人間そのものへの恐怖『花束は毒』織守きょうや

文藝春秋
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「ラストがすごい」と口コミでも評判の『花束は毒』。

大学生の「僕」は、かつて憧れていた家庭教師・真壁が、結婚を前に何者かから脅迫されていることを知ります。

真壁に代わって探偵事務所へ調査を依頼すると、現れたのは中学時代に縁のあった先輩・理花。調査を進めるにつれて少しずつ真相が見えてくるのですが、その先に待っているものが……。

「こういう小説が読みたかった!」と思えたラスト

実際に読んでみると、ラストについては人によって好みが分かれるかもしれません。でも個人的には、「うおおおお、こういう小説が読みたかったの!」と、かなりお気に入りの一冊になりました。

あや
あや
これは、ぜひ何も知らずに読んでほしい!

悪意、怒り、やるせなさ。さまざまなネガティブな感情が絡まり合い、その根源をたどっていった先にあったもの。それはやっぱり、「人間」でした。

読み終えたあとにタイトルの『花束は毒』をもう一度眺めると、なんともいえない気持ちになります。

怖い。でも面白い。人間の感情が生み出す毒に、最後までじっくり浸かってほしいミステリーです。

怪異より恐ろしい。「人間が怖い」小説に震えたい夜に

今回紹介したのは、幽霊や怪物ではなく、人間の悪意や狂気、理解しがたい心理にゾッとさせられる3冊です。

もし、こんな「怖い人間」が自分の身近にいたら……。たぶん、自分では避けようがなく、巻き込まれたら最後、戦って勝つか負けるかしかない気がします。

そして、たとえ勝ったとしても、もうかつての日常には戻れない。

あや
あや
そんなところまで想像して、気が滅入ってしまうくらい怖い。でも、だからこそ面白い。

「人間が怖い」「ホラーのようにゾッとするミステリーが読みたい」という方は、ぜひ気になった一冊から手に取ってみてください。

次に読む小説を探すなら

人間の狂気だけでなく、得体の知れない怪異や呪いにも震えたいなら、貴志祐介さんの長編ホラー作品をまとめたこちらの記事もどうぞ。

一方、非日常の世界に浸りながら謎を楽しみたいなら、ホテルが舞台の長編ミステリーを集めたこちらの記事へ。クラシックホテルから南国のホテルまで、旅情も味わえる小説を紹介しています。