戦後の日本文学作家として有名な坂口安吾が、初めて手掛けた推理小説「不連続殺人事件」。
文豪が書いたミステリというからかなり身構えて読みはじめたら、初っぱなから荒れ狂う男女模様に度肝を抜かれました。
若き名探偵・巨勢博士が謎を解く推理小説

「きみたちには、ぜったい犯人のあたらない探偵小説を、そのうちに書いてみせるよ」Wikipediaより
雑誌掲載時には、読者への挑戦として犯人当ての懸賞金までかけられていた本作。結末のカタルシスが、これぞミステリーという期待を裏切りません。
「不連続殺人事件」あらすじ
昭和22年の夏、県内有数の財閥の邸宅に集う流行作家や関係者たちが次々に殺害される。一貫した動機を見出だすことができず、次に誰が殺されるのか分からない。探偵である巨勢(こせ)博士は、犯人が唯一ミスを犯し残した「心理の足跡」から真相を語り始める。
「復員殺人事件」あらすじ
「不連続殺人事件」に続く第2作で、巨勢博士と矢代(語り部)が再登場。本人と見分けがつかないほど大ケガを負って復員した兄を巡って、後ろ暗い一族に悲劇が起こる。未完。のちに高木彬光が解決編を執筆しているが、本号に収録なし。
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うへぇ…ってなるけど嫌いじゃない。(むしろ好き)

「不連続殺人事件」は、寝取り寝取られの壮絶な男女関係に加えて、個々人のキャラクターの強さにヒェッ…となりました。とくにオンナなんて俺にイチコロだ的な自慢話(?)をする男性の発言はうへぇ…
けれど、そういう妖しい世界があけっぴろに展開される物語というのは、見ちゃいけないと禁じられていたものをこっそりと覗くドキドキ感があって気づけば夢中に
天才探偵のそばには気の置けない存在がいてほしい
探偵の巨勢博士と矢代(語り部)のコンビネーションも好きで、天才が故に時々間が抜けた発言をしてしまう巨勢に、自分まで赤面してしまう…という何気ない関係性にぐっときます。
ちなみに「復員殺人事件」のほうも、弟が好きだった女性を兄が嫁にし、さらに嫁が義父の妾になるなど壮絶な人間模様です。
うおおおお、これからどうなるんだろうとページを捲っていたら(未完)の文字で終わってしまって解決編はお預け状態…_:(´A`」 ∠):_
