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ルンルンはどこですか!林真理子のエッセイを読む

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月の始まりは、kindle unlimitedの新着に目を通すのが楽しみだ。

ちょうど読みたいと思っていた角田光代のエッセイ本が目に止まり、ダウンロードに進むと「ルンルンを買っておうちに帰ろう」が、こちらもおすすめに出てきた。

かの林真理子のデビュー作というのは知っていて、気まぐれに読み出したらこれがなかなか……

令和の現代ではそうそうお目にかかれないぶっ飛びエッセイ集だった。

あけすけな「ラブ篇」(ほかジョブとリブ(?)篇がある)

たとえば「ブ○はやはり××されても仕方ない」。

ブ○とはつまり、伏せ字を入れ換えて○スのこと。××は前が差、後ろが別という完全なる暴論だ。

炎上の時代、多方面に配慮したやさしい文章に慣れていると、氷水をぶっかけられたくらいの衝撃タイトルである。

内容は痛烈かつ赤裸々に語られるモテない彼女たちの生態、失態。

彼女たちは、“個性的”という言葉をまだ信じている数少ない人種で、これに救いをもとめようとするあまり、やおら奇矯な行動に出ることが多い

ルンルンどこいった。

ちょっとご機嫌になれそうな書名に反して、あまりに初っぱなからあけすけで、泣いてしまう乙女もいるんじゃないか。

少なくとも、思春期の少女と心が弱っている人には勧めたくない。

本音は痛いがクセにもなる

涙できるほど乙女ではない私にしても、「女は顔じゃないんだよ」と息巻いていた20代半ばのころに読んでいたら、少なからずショックを受けていただろう。

なぜなら、

心のどこかで図星だと、思い当たる節があるからだ。

もちろん容姿だけで人生は決まらないし語れない。美人の努力と苦労だってあると思う。

だけど、どんなに中身が大事といっても、もし選べるなら美人がよくないか。本音ではそう思っているのに、世間から叱られるのがいやで「そんなことないよ」っていい子を演じている自分がいる。

まだラブ篇しか読んでいないけど、人にお勧めするかと言われたらたぶんしない。毒が強すぎる。

だけど、建前ではなくて本音でぶった切る真理子節はちょっとクセになった。

受け止めるだけの余裕がある今のうちに、いそいそと続きを読むことにする。

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