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暗黒街の美女から元奇術師探偵まで。坂口安吾ミステリ短編6作の推しどころ読書記録

坂口安吾 アンゴウ 南京虫殺人事件
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アシェットの分冊百科シリーズ『江戸川乱歩と名作ミステリーの世界』から、坂口安吾のミステリー短編6作品を読みました。

安吾といえば、有名なのが『不連続殺人事件』という長編推理小説。じつはこの分冊百科で初めて読んで、名刺代わりの10冊に含めるほどお気に入りに。

あや
あや
非日常的な展開とドロドロの男女模様にどハマり。今回の短編作品も、それぞれに推しどころがあって、読んでいて楽しい1冊でした。
坂口安吾 推理 短編 アシェット

まずこの目次! ミステリ好きの心をくすぐる題目が並びます。

今回は、それぞれの作品をネタバレしない程度に、あらすじと感想を紹介していきますね。

まさかの結末……『アンゴウ』

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戦後、神田の古書店で戦死した友人の蔵書を見つけた主人公。中から逢引き場所を伝える暗号文が出てきて、妻と友人の不貞を疑いはじめます。

疑心暗鬼のじっとり嫌な雰囲気から、あっ……という結末。戦争の代償が重く、切なく響く作品でした。

暗黒街の絶世美女『南京虫殺人事件』

暗黒街に君臨する絶世の美女・ミス南京。彼女の関わる密輸がらみで殺人がーー。

江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を彷彿とさせる謎の美女。警察側でも女性が活躍していて、ちょっと新鮮でした。

あや
あや
同性が見てもポーっとなってしまう美女……めちゃタイプです!(笑)

息子を捨てたい父『山の神殺人事件』

警察沙汰ばかり起こす息子を捨てたい父親。神だ憑き物だと騒ぐ女とその弟子を利用し、なんとか息子を始末しようと計画するーー。

「そりゃ息子もグレるでしょーよ!」という父親の心理がまさにイヤミス。宗教を利用した殺人計画、というのも不謹慎ですが興味をそそるテーマでした。

不可解な死に関わる怪しい人々『影のない犯人』

温泉都市で1番大きな別荘の主人が、不可解な体調不良で死に至ります。直前に不謹慎な会話をしていた医師、武術家、芸術家の3人の“先生”たち。さらに、主人が亡くなれば遺産が手に入る息子や若い後妻など、殺人を疑えば怪しげな人物ばかりーー。

推理小説然としたタイトルとあらすじですが、謎ときのある作品ではありません。結末を余韻ととるか、中途半端とみるかで好みが分かれそうです。個人的には大好き!

インチキを見破れ!『心霊殺人事件』

かつて奇術師の名手として名の知れた旅館の主人のもとに、心霊術のインチキを見破ってほしいという相談が持ち込まれます。心霊術を受けたがっているのは、実の子たちにも愛情を示さない、血も涙もない高利貸しの親父でーー。

謎解き要素のない「影のない犯人」とは対照的に、こちらは名探偵が登場するフーダニットもの。結末はあっさりとしていますが、きれいに謎が明かされミステリ初心者にもぴったり。

元奇術探偵再び『能面の秘密』

大邸宅の別館が火事で燃え、泊まっていた男が死亡。事件の疑いが浮上する中、鍵を握る女性は目が見えません。ただ、その盲目の女性は火事の直前、女主人が男から脅されている会話を聞いていたのでした。関係はいかに?

『心霊殺人事件』で登場した元奇術師探偵・伊勢崎九太夫が再び活躍します。前作よりも人間関係が入り組んでいて、悲しくもドロドロとした展開が、『不連続殺人事件』好きには刺さりました。

ミステリー好きをそそる要素が盛りだくさん!

江戸川乱歩と名作ミステリーの世界 坂口安吾 アンゴウ

暗号文、暗黒街の美女、イヤミス、元奇術師名探偵など、そそる要素が盛りだくさんの短編集でした。

なかなかマイベストを決めるのが難しいラインナップだったのですが、勢いで選ぶなら『影のない犯人』。謎が解かれるわけでもなく、ただ“雰囲気”で読ませる作品で、結局こういうのが1番好きなんですよね。

あや
あや
DOMOTO(KinKi Kids)好きとして、主人の息子が“光一”という青年であることもちょっとワクワクしました(笑)

どれも青空文庫で無料公開されているので、気になる作品があったらぜひ読んでみてください。

江戸川乱歩 名作ミステリーの世界 不連続殺人事件 坂口安吾 感想
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